自給自足系ミニマリスト

子育て中の田舎の主婦です。製菓衛生師免許、コーヒーインストラクター(2級)所持。バックパッカー経験あり。世界一周していた夫と結婚しました。

紅葉がきれいに見えているのは、幸せなことなのかもしれない。

紅葉が、ある時からきれいに見えなくなったなら。

部屋の窓から見える山です。家に電気がひいてあるので、電線がうつっています。

「今年の紅葉は、汚い。」

今年もおばあちゃんが、そう嘆きます。 おばあちゃんが、5年間、毎年言っていることです。 私が意識しだしてから5年なので、もっと前から、毎年言っていたのかもしれません。

「紅葉見てる暇なんかない、農作物をつくらなきゃ、忙しい、忙しい。」

昔読んだトーベヤンソンさんの往復書簡という短編物語に、こんな内容がありました。(なんとなくしか覚えていないので、引用ではありません。)

そこに山がありました。昔は見えていましたが、今はもう見えません。

このように話した女性は、英語を習いたい、物語を書きたい、でも経験もないし、忙しくてできない。そういっているうちに、老いてしまいました。 経験がなくとも、書きたいから書くのですよ、と、アドバイスを受けたにもかかわらず、でも今は母の介護もあるし、妹の世話もあるから・・・といっているうちに、山は見えなくなってしまった、というようなお話でした。

トーベヤンソンさんの軽い手荷物の旅、という短編集です。

トーベ・ヤンソン・コレクション 1 軽い手荷物の旅
by カエレバ

「死ぬ前に、北海道のラベンダー畑が見たい。でも、ラベンダーが咲く頃は、忙しいから。私は忙しいから行けない。」 祖母は毎年、こんなことも言っています。たぶん、もう行くことはないでしょう。

私は周りの影響を受けやすいので、おばあちゃんといると、この「忙しい、忙しい病」が、うつってしまいます。 だからやっぱりちょっと、心が安定して、どっしりしている時じゃないと、避けてしまう時も、正直あります。

「みんなのために、農作物を作らなきゃ」

おばあちゃんは、自分が愛されて、必要とされているかに敏感です。

9歳の頃、大好きな親元から離されて、養子に出されたこと、養子に出された先で、愛情を貰えなかったことを何度も聞いたので、それが原因になっているとは思います。

毎年の秋頃、1ヶ月は、祖母は駐車場いっぱいに農作物を置きます。

車はその間、どこか違うところへ停めればいいじゃない、と言います。

家族は、駐車場から車を追い出されることをよく思っていません。それを伝えたこともあります。でも、伝わりませんでした。

1週間前は、まだあまり色づいておらず。見頃を迎えたのは昨日、今日です。

おととい、久しぶりに妹が、車で家に帰ることになりました。

いつもなら。おばあちゃんは
「収穫した芋を煮ておいてあげよう、あの子は喜ぶから、ねぎを取ってきて包んでおこう、あの子は喜ぶから。」
そういってそわそわするのに。

今回は、
「駐車場の農作物を片付けろっていうのか。」
と、迷惑そうな顔をしました。

結局、あれだけ家族が、妹が帰ってくるから農作物をよけておいてといったのに、よけてくれませんでした。

「みんなのために、作らないと。」

これはすでに、自分のために、であるということに、おばあちゃんは気づいていません。

もしかしたら、おばあちゃんの「みんな」に、家族は入っていないだけかもしれない。 そう考えたこともありますが、収穫した農作物を家族に振舞って、満足そうな顔をしているということは、家族も「みんな」に入っているのでしょう。

「紅葉、今年もきれいだねー。」

この前の休日に、夫が、
「紅葉、今年もきれいだねー。紅葉のきれいな神社にでも、出かけようか。」
と、言いました。
夫は、いつも、幸せだなぁと言って、にこにこしているような人です。

おばあちゃんにだって、紅葉が、きれいに見えていたときがあったのでしょう。でも今は、きれいに見えません。

散々、祖母の愚痴のようになってしまいましたが(もやもやしていたので半分は愚痴ですが)、ひとごとじゃないな、と思うわけです。

私にだって、紅葉がきれいに見えなくなる時が、くるかもしれません。 私にだって、紅葉を見る暇なんてないというほど、周りのことが見えなくなるときも、くるかもしれません。

みなさん、紅葉、きれいに見えていますか?



【私の1番大切な本&大きくなったら子どもに読ませたい本】
忙しい、忙しい病にかかった人たちを、モモが救うお話。 この本に、小学生の頃に出会っていたら、ちょっとは私のせっかちな性格も、変わっていたのかもしれない。 息子が読めるようになったら、プレゼントしたい本です。

モモ 時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語
by カエレバ

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